Innovation Weekend LondonとHackOsaka

金曜日に日本のベンチャーキャピタルの SunBridge Global Ventures さんが主催の Innovation Weekend London  というイベントでプレゼンしてきました。もともとは落選していたのですが、ドタキャンがあったので当日に参加が決まりました。

「Tシャツに短パン」という非常にカジュアルな出で立ちで登壇したのですが他の人は結構きっちりした服装の人が多かったです。日本企業主催だったので「失礼のないように」とみんなかしこまってきたのでしょうか。

今回も特に優勝とかとはほど遠かったのですが主催者の方々とあとでいろいろお話できたのが良かったです。
「財団法人都市活力研究所」というお固い名前の団体の方々と名刺交換をさせていただいたのですが(こういうのも日本的ですね)、現在大阪の認知度を高めるために世界中を飛び回っているらしいです。

なんでも大阪と世界のスタートアップを結びつけるための Hack Osaka というイベントも開催しているとのこと。来年の2月にも開催を予定しており、世界中からのスタートアップを誘致するべく、海外にも足を伸ばしているそうです。

今年のイベントでは「Moff」という時計型のウェアラブルおもちゃが登壇したのですが、その後キックスターターで資金調達に成功して話題になっています。

Hack Osakaのピッチイベントの模様はYouTubeにありました。

ちなみに1時間半と長時間なので時間のない人はStepUpから直接Moffのプレゼンを見てみてください(モバイルからはあいにく見れません)


ロンドンのスタートアップシーンの印象を聞いたところ「シリコンバレーはちょっと特殊すぎるのでやはりロンドンとかニューヨークのほうが参考になる」とのこと。

前回の日記でも述べたのですが 、ロンドンの場合は金融やファッションといったその都市で強い産業と結びついたスタートアップが人気が高いけれど、シリコンバレーの場合は周辺の町そのものにはあまり購買力がないので、あまりスタートアップに地元との相乗効果を期待していないという点があると思います。

でも大阪はロンドンと比較するよりもどちらかといえばマンチェスターと比較した方が良いのではと思いました。

私の個人的な感覚でスタートアップ都市を並べていくと以下のようになります。

  1. シリコンバレー (唯一無二の存在)
  2. ベルリン、テルアビブ、ルクセンブルグシリコンバレーと対抗すべくテクノロジーに力を入れている町や国)
  3. ニューヨーク、ロンドン、パリ、ストックホルムマドリッド、東京 (経済の中心地であり、既存産業とテクノロジーとの相乗効果を狙っている町)
  4. チリ、トルコ、東欧各国、バーミンガムアメリカの田舎(物価の安さを売りにしている町や国)
  5. マンチェスター、大阪 、その他大勢(あまりスタートアップが進出の候補にはあげない町)

この中でも面白いのはマドリッドやチリでしょうか。それらの町自体の経済圏はあまり大きくないのですが、そこを足がかりに他のスペイン語圏(南米)に進出しやすいのを売りにしていたりします。

正直いって大阪もマンチェスターも#2ほどテクノロジー特化になるには大きすぎるし、#3であるその国の経済の中心都市と真っ向から勝負する力もないし、#4ほど物価も安くない。ではマンチェスターはどうしているか?

ロンドンではオールドストリート地区を中心に政府が「TechCity」というブランド名で宣伝していますが、逆にマンチェスターBBCを誘致するなどして「Media City」というブランド名で対抗しています。

なのでただ単に「ベンチャーのみなさんきてください」というよりも「〜〜系ベンチャーならぜひ大阪へ」といえるようななにかが必要だと思います。

「財団法人都市活力研究所」の方々によると大阪府内には技術力のある町工場が多く、一昔前に携帯の中をあけると大阪の町工場の人たちが作った部品が所狭しとあったそうです。 今だとInternet of Thingsがはやりですが、ハードウェア企業が量産化するときに大阪にきてもらえるようになれば良いなとおっしゃっていました。でも「ハードウェア系ベンチャーならぜひ大阪へ」というと中国との競合になってしまうのですが、価格面だと勝負するのは難しいのでもう少し絞り込む必要があると思います。

ちなみに外国人である私の妻に大阪の印象を聞いたところ「お好み焼き」という返事が返ってきました。寿司や懐石料理は東京や京都というイメージがありますが、お好み焼きやたこ焼きといった「ストリートフード」といえば大阪ですよね。ちなみにロンドンでもランチの時間に小さな路地を歩行者天国にして「ストリートフード」の屋台が建ち並んで人気です。お好み焼きなどの「ストリートフード」、お笑いなどの「エンターテイメント」はいずれも人と人とのふれあいの産物です。関西人は「日本のラテン」といわれるぐらいなので「人情」をブランドとして売り出してもよいかもしれませんね。テクノロジーがどうやってそこに組み込まれていくかはよくわかりませんが、Moffのようなおもちゃとなんかからめていければ良いかなと勝手に思ってみました。

私は生まれが大阪で大学も関西だったので(関西弁はヘタクソですが)個人的に応援していきたいです。