今年はモバイル

すでに年もあけて3週間以上たちましたが、あけましておめでとうございます。

最後のエントリーから何ヶ月もあいて、ブログの更新がおっくうになっていたのですが、Life is Beautifulのかたも今頃新年の抱負をかたっていたので、私も一念発起してみました。

昨年のクリスマスまでは「次からはRIA(Rich Internet Application)」だと思い、Adobe Airデスクトップアプリを作ってみたり、Flexの本を読んだりしていたのですが、年末にイギリスから日本に一時帰国していた間にころっと心変わりしました。今年はモバイルで行きたいと思います。

なぜ簡単に心変わりしたかと言うと、2年ぶりに日本に帰った浦島太郎状態から以下の点にすごいショックを受けたからです。

  • 携帯がつながっていないところがまずない。

イギリスだと地下鉄の中は電波がつながらないのですが、日本の地下鉄ってプラットフォームだけでなく、電車がはしっている中でも電波が通じるのですね。今更ながら通りの良さにびっくりしました。

  • 小銭いらず、小額決済の電子化

「おさいふケータイ」というのは日本滞在中に試さなかったのですが、Pasmo(JR東だとSuica、JR西だとIcoca)という電車のプリペイドカードの使い勝手の良さにびっくりしました。他線乗り換えが簡単に出来るという基本機能はさながら、駅のコインロッカーやプラットフォーム上にある自動販売機の決済にも使えるという機能はたしか2年前にはなかったはずです。

イギリスでも一応Oyster Cardというプリペイドの電車カードはあるのですが、それは地下鉄とNationalRailの間の相互仕様が中途半端で使えなかったりかなり不便です。しかもOyster Cardをもたず、そのまま駅でチケットを買うと値段が倍になるという「懲罰的」ともいえる理由でしか利便性を感じないのと比べると天と地の差です。

  • 高齢者のケータイの浸透

私の父親は、クルージング好きが高じて、自分のホームページを持っているのですが、そこの掲示版が月に300近い書き込みがあったりとかなり盛況です。理由を聞いたところ、なんでも国内クルージングをしている人が船上から携帯で「実況中継」的に書き込みをしているのだそうです。クルーズをする人って年配の方が多いのですが、そういう人たちにとっては「携帯を使いこなす」というより「PCのかわりに携帯からネット接続」というのが普通になっているようです。

これらのことの多くはインフラの整った日本でこそ可能なものですが、ヨーロッパや他の国でも2〜3年後には普通に見られる社会になるのではと思います。特にロンドンは2012年のロンドンオリンピック開催に向けて交通機関のアップグレードに取りかかっている最中なので、日本のインフラの爪のあかでも煎じて飲んで欲しいものです。

ただいままでだと「日本の携帯キャリアは独自の道をすすんでいるガラパゴス携帯」とかいう話だったのですが、ここにきてiPhoneGoogleのアンドロイドなのが日本にも参入することで、情勢も変わってきそうです。

特に日本から帰る飛行機の中で「iPhoneの本質 Androidの真価」を読んだら、よりいっそうその確信が高まってきました(ちなみに第一章は先にあげたLife is Beautifulの中島聡さんがご自身のiPhoneでの起業体験を語っています)。


iPhoneの本質 Androidの真価
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5 大きな変革の鼓動を感じさせる一冊
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とういうことで、今年から私も本格的に携帯関係の勉強を始めようと思っています。
いままでこのブログはヨーロッパのスタートアップ事情やRuby On Rails関係の情報について述べていましたが、ことしはそれに「モバイル」というトピックも付け加えて行きたいです。なにかイギリスやヨーロッパの携帯事情について質問があれば気軽にコメントをしてください。自分の分かる範囲内で調べていきたいとおもいます。

今年勉強したいトピックや、関わりたいプロジェクトをすでにいくつか面白いものを見つけたので、次回はそのことについて(なるべく何ヶ月も時間をあけず)書いていこうと思います。

ことしもよろしくおねがいします。