退社&起業します。

5年間お世話になったNew Bambooを今月末で退社し、来月からは自分の会社で働くことになりました。
この日記でも何度か取り上げたBenkyo Playerですが、おかげさまで投資プログラム(Seed Acceleration programとか呼ばれたり)に合格し、7月から3ヶ月間のプログラムに参加します。

そもそもこの日記を書き始めたのが2006年の5月
プログラミングコンペに参加しながら当時人気が出始めたRuby On Railsを勉強する経過報告をするために立ち上げました。
その時一緒にコンペに参加したイギリス人の友人と最初に起業しようと前の会社を飛び出したのが2007年の9月。
でもその時はビジネスアイデアもあいまいで、何度もアイデアをかえたあげく情熱も失せてしまい3ヶ月ぐらいでたち消えてしまいました。

金融業界に再就職しようとしたのですが、リーマンショックの直前ぐらい(たしかリーマンブラザーズが倒産する2〜3ヶ月前にあそこの就職試験うけました)だったので箸にも棒にも引っかからず。苦労したところを今の会社に拾ってもらって5年ほどたちます。

金融業界から小さなソフトウェアハウスへの転職だったので給料も半分近くに下がったし、以前の職場では周りが30代後半〜40代で常に「若手」だったのが New Bambooでは社長の一人が(当時)20才というとても若い会社で、いつも私が「最長老」でした(去年ようやく私より年上の人が入社しましたが)。

この5年間での自分の中での結果をまとめてみると以下になります。

  1. 自分のオープンソースライブラリを公開 (2008)
  2. 社内プロダクトの立ち上げに関わる (2010)
  3. @ITで記事の執筆(2010~)
  4. dRuby本の翻訳 (2010~2012)
  5. ハッカソン、ミートアップの企画 (2012~)

1. 自分のオープンソースライブラリを公開 (2008)

当時「MySQLより200倍速い」みたいなのをだれかがメーリングリストに投函していたのをきっかけにTokyo CabinetというKVS(Key Value Store)に興味を持ち、「dm-tokyo-cabinet-adapter」というデータベースアダプターを作ってみました。 このライブラリー自体は、作った直後にTokyo Cabinet自身が「table-database」というものを実装してしまいお役御免になってしまったのですが、いろいろな人からフィードバックをもらったり、それが縁で作者の平林さんの記事をこまめに英訳したりしていました。

あと当時は会社にもオープンソースのプロジェクトがあり、オープンソースを使うだけの側から作る側になったり、コミュニティとかとかかわるきっかけになりました。


2. 社内プロダクトの立ち上げに関わる (2010)

2009年にWebSocketをいじり始めたところから始まり、Scottish Ruby Conf日本Ruby会議でトークをしたり、@ITで「WebSocketで目指せ! リアルタイムWeb」という短い連載をさせてもらうことになりました。

こちらに来てからRailsを通してRubyを学んだ自分にとって今まで日本のRubyistコミュニティというのは雲の上の存在でした。それが一気に身近な、もっと気軽に参加できるコミュニティに感じられるようになったと思います。

3. @ITで記事の執筆(2010~)

上記のWebSocketに関わる短期連載が縁で「Railsで目指せ、情熱エンジニア」という連載も持たしていただきました。

正直途中から連載が滞ってしまって申し訳なかったのですが1年以上に渡る連載というのは大変だなと思いました。

4. dRuby本の翻訳 (2010~2012)

これも2010年に日本Ruby会議に参加したのをきっかけに角谷さん経由で紹介していただきました。
上記の連載以上に時間のかかる作業で1年近く費やしましたが、ただ英訳するだけでなく、原作者の咳さんと一緒になって新しい章の内容などを考えることもできたし、咳さんのような日本を代表するRubyistにわからない箇所を丁寧に解説していただいたあげく、Rubyistなら一度は行ってみるべきRuby Confで一緒にトークまでさせていただいたのは本当に良い経験になりました。

5. ハッカソン、ミートアップの企画 (2012~)

WebSocketで色々遊んでいた頃に、ライブショーの結果をリアルタイムで可視化するプロトタイプを作ったことがあります。

ただそのころはJavaScriptとか全然初心者で、テキストデータをリアルタイムで垂れ流していただけでした。そのころから「データビジュアライゼーション」なるものに興味をもち、単発でちょこちょこ作品をつくったりしていました。

そこで「オリンピックをネタにデータビジュアライゼーションをしよう」という軽いのりから始まり、ハッカソンを始めて企画しました。 会場の手配からスポンサー集め、PR活動など初めてづくしでしたが非常に楽しかったです(ハッカソンや自分のつくったデータビジュアライゼーションをイギリスの新聞社のサイトでとりあげてもらったりもしました)。ただハッカソンの企画に忙しくて自分であまりハックできなかったのが心残りでその後もハッカソンにいろいろ参加するようになってBenkyo Playerを始めることにつながりました。

あと、ハッカソンの時に使い始めたd3.jsが好きになってロンドンでのミートアップを定期的に主催することになりました。このことでコミュニティに参加するだけでなく、自分が主体となってなにかを始めるというきっかけにもなりました。まだまだ小さなコミュニティですが、気長につづけていければと思います。

自分は常々飽きっぽいと思っていたのですが、こうしてみると一つのイベントが他のイベントを呼び起こしているような気がします。まさにSteve Jobsが言っている"Connecting the dots"

Again, you can't connect the dots looking forward; you can only connect them looking backwards. So you have to trust that the dots will somehow connect in your future. You have to trust in something ― your gut, destiny, life, karma, whatever. This approach has never let me down, and it has made all the difference in my life.

もう一度いうけど、前もって点をつなぐことはできないんだ。点ってものはあとになってようやくつながっていたっていうことがわかるもんなんだ。だから点っていうのはいつかつながるって信じるしかないんだよ。直感、運命、人生、カルマ、なんとでも呼べばいいさ。この自分の信念を信じる方法で僕は失望したことはないし、このことが僕の人生を特別なものにしてくれ続けていたんだ。

http://benkyoplayer.com/videos/790, http://www.youtube.com/watch?v=UF8uR6Z6KLc, でも見ることが出来ます(私のChromeではなぜかビデオをあけようとするとChromeが死んでしまいますが、Firefox,SafariだとOKっぽいです)


これからの3〜6ヶ月間はこの5年間に学んだことを実行に移す場として頑張っていきたいと思います。

今年中の目標は以下のようになっています。

  • 明日:New Bambooサッカーチームの試合に勝利する!!
  • 今週中:現在キープしているBamboo卓球ランキング1位の座を死守する(といいつつ原稿を書いている途中に2位に陥落!! 今週中に1位返り咲きが目標)
  • 7月: コーディングを始める前にたくさんの人にあって「どういった問題を解決しようとするか」「どういったプロダクトだったらお金を払ってでも使ってもらえるか」をさぐる。
  • 9月: 3ヶ月の投資プログラムが終わるので、それまでに人様にお見せできるものを作り上げる
  • 11月: 「RuPy」に登壇予定なので、それまでに興味深いd3.jsの事例をつくりあげる。
  • 12月: 多分年末に日本に一時帰国するので、その頃までには事業の継続可能な形(更なる投資だったり、なんらかの収益だったり)に持っていきたい。短期のフリーランスで食い扶持をしのいだりはする覚悟ですが、あきらめて他の会社に就職する自体は避けたいです。

以上です。

またDrawing Courseの時みたいに進捗状況をちょくちょく更新できれば良いなと思っています(時間があれば)。