Benkyo Diary (Week 1)

いよいよBGV(Bethnal Green Venture)での3ヶ月のプログラムが始まりました。

  • チーム発表会
  • Mentor Speed Dating
  • Workshop


チーム発表会

まず初日の11時くらいから軽いイントロダクションのあといきなり各チームのビジネスモデルについての発表がありました。
みんなの発表を聞いていると各チーム構成、ターゲットマーケット、そして進捗具合もまちまちなのがわかります。

大学の同級生で、前年の卒論のテーマとして取り組んでいるチームもあれば、「2ヶ月前に参加したハッカソンで知り合った」というチームもあったり「CTOはスタートアップマッチアップサイトで公募した」などまちまちです。ターゲットマーケットは教育、防災、医療、地域社会ぐらいに分かれていましたが、比較的に教育分野が多いかもしれません。

進捗状況としてはやはりみんなかなりのアーリーステージで、ユーザーがすでにたくさんいるのは1社、私のBenkyo PlayerのようなMVP (Minimum Viable Product)としてユーザーに使ってもらえる状態のものが2〜3社、残りはなんとなくプロトタイプがあるだけっぽかったです(実際にデモまでしたのは2〜3社のみだったのであんまり詳しくは分かりませんでしたが)。

あとプレゼン時のスライドを作り直した方がよいだろうと思って作り直したのが以下になります(画像をクリックするとslidedeckというスライドシェアサイトに飛びます)。

ちなみにスライド作成は@sayutampoさんに手伝ってもらいました。

Mentor Speed Dating


BGVには50人以上にもわたるメンターがいるのですが、水曜日にはその人たちと顔合わせをしました。一風変わった取り組みとしてはその顔合わせの仕方。各メンターが2〜3人ぐらいのグループを作り、それぞれのチームを15分ごとに回っていく方法をとっています。いままでBenkyo Playerについておりを見ては発表したりしていましたが、3時間で10回以上ぶっ続けで紹介しつづけるというのは初めてだったので勉強になりました。同じように説明しても人によって反応はまちまちなので、以下に聞き手に興味を持ってもらえるように話し方を微調整する必要があります。

Benkyo Playerは「勉強する」がテーマなので比較的だれにでも関係のある分野です。最初に「オンラインコースなにかとってますか?」と聞くと3〜4人の人が実際に今とっていると反応してくれたので、その人達にはそのまでテストユーザーになってもらえるようお願いしたりしました。 あととっていない人には「今どういったことを習ってみたいですか」「勉強することに踏み切れない理由は何でしょうか?」と逆に聞いてみたりしました。今勉強していない一番の理由としては「忙しい、時間がない」があげられるのですが、「そういった勉強する気をそぐための理由を一つ一つ解決するのがBenkyo Playerの使命です」といってみたりして、人との会話を通して自分のやりたいことがはっきりしてきたのが収穫です。

今回のSpeed Dating中の頻出質問は以下の通りでした。

  1. どうやってお金とるの?
  2. ライバルや既存のオンラインコースがBenkyo Playerのやっていることをコピーすることは可能?
  3. 既存のオンラインコースがBenkyo Playerがビデオやサブタイトルを使用させないようにすることは可能?

1に関しては生徒さんからのフリーミニアムモデルで金をとるか、コースのプロバイダーと交渉して各コースにインテグレートするための費用を徴収することが可能だと思っています。

2に関しては確かに可能ですが、自分たちの強み(ビデオとサブタイトルを利用したデータビジュアライゼーション)に集中することで付加価値の高いサービスを低コストで提供することが鍵になります。「自分たちでもその機能つけれるけれどBenkyo Playerのサービスを使った方がコストパフォーマンスが高いよね」といってもらえるようにするのが目標です。

3に関しては確かにその通りで、今はCoursera, Udacityといったビッグプレーヤーのビデオばかり対象としていますが、彼らのサブタイトルを簡単にBenkyo Playerに取り込めるかどうかがBenkyo Playerの死活問題に関わってきます。そこでもっと多様なオンラインコースを対象とすることでリスクを下げようとする必要があると思います。

あと興味深かった指摘として「オンラインのコースで勉強するっっていうこと自体が敷居が高い層がいる」ということです。
私がWeek 0で記入したBusiness Model CanvasのなかのCustomer Segmentation (顧客層)では「30代半ばの高学歴層」を対象としていました。このデータの根拠としてはCourseraの1コースであるComputational Investingの受講生を対象としたアンケートの結果に「35歳、高学歴白人男性」というのが典型的受講層として出ていたのでそれをもととしていました。

そういう人たちはすでにフルタイムの仕事を持っていて、スキルのブラッシュアップのためにコースを受講しています。
しかしながら子育てに追われていたママさん達の社会復帰のきっかけとしてオンラインコースを受講するという潜在層は多いと思うのでこれはBusiness Model Canvasを修正する必要がありそうです。

Workshop

木曜日は隔週でメンターによるワークショップがあります。今回のトピックは「Service Blueprint」。Blueprintは「青写真」「青図面」とかいわれるいわゆる設計図的なもののことをさします。
要点としては以下のようになります。

  • 普通車とかっていきなりパーツを組み立てるんじゃなくて設計図つくるよね。
  • そして設計するときもただ車の実装だけを考えるんじゃなくて、ユーザーの人が車を購入してから廃棄にいたるまでのトータルでの体験を考慮することが必要
  • ユーザーの一連の経験はAware, Join, First Use, Continue, Leaveに分かれている
  • Leaveは悪い意味にとらえがちだけれどそうでもない。例えば病院を退院する患者さんにとってLeaveは必須で、そこで今まで良いサービスを受けた患者さんが次の顧客を紹介してくれる
  • ユーザーと自社サービスとの接点はPeople, Information, Physicalに分かれる
  • ユーザ経験を横軸、接点を縦軸にとる表を作成し、各升目に必要な項目を記入していこう

30分ぐらいかけて出来上がったのが以下になります。



そしてその後各チームのBlueprintをみんなで見ていくことになります。けっこうのBlueprintは各チームの進捗状況をつぶさに反映していて、すでにユーザーがたくさんあるチームのものは表の各要素がびっしりと埋まっていました。逆に前半だけ詳しく書いてあって後半が真っ白の所とか、書いている要素が極端にすくないところがあったりします。

自分のチームのBlueprintをうめて気づいたのは以下の点です。

  • Benkyo PlayerはオンラインサービスだけれどAwareのステージは友達による口コミであったり、学校やユーザーグループなど物理的な方法が多い
  • Benkyo Playerにとって今もっとも重要なのはFirst Use.そこでユーザーに「使える」と思ってもらえないとわざわざBenkyo Playerで勉強せずとも既存のオンラインコースで勉強すればよいから。
  • Leaveのフェーズで既存のオンラインサービスは「コースを終了する」ことになるけれどBenkyo Playerはそこだけがメインではない。なぜなら生徒の多くはコースを終了して修了書をもらうよりも、自分に興味のある部分を「理解した」あるいは「もっと理解したい」と思ってもらう(=興味を高める)ことにあるから。なのでたとえばグーグルのサーチエンジン経由でBenkyo Player内のサブタイトルに行き着き、そのあと各オンラインコースに去っていってもらってもそれはそれで良い。
  • まとめ

本当に内容の濃い1週間で、ものすごい数の人にあってBenkyo Playerプロジェクトについて話をすることで、進むべき方向性がぼんやり見えてきた気がします。
まだたった1週間ですが、すでにコースの12分1が終わったと思うとぞっとします。そして今週はコードを1行も書いていないのでちょっと手がうずうずしてきました。
息切れしない程度に頑張っていきたいです。