Benkyo Diary(第7週)

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  • Step Up
  • ユーザーインタビュー
  • オンラインビデオのツイッター

今週は色々悩みが多い一週間だったと思います。

Step Up

まずは先週軽く触れましたが、週末のハッカソンでつくったStepUpのご紹介。

これはBenkyo Playerの「Video Learning made easy」の意志を受け継ぎつつ、Benkyo Playerの目玉である検索機能をばっさりきりすて、「反復練習」に重点をおいたものです。

機能はきわめて簡単で「Play」ボタンでビデオを再生するのですが、何もしないとあらかじめ区切られていた一区切り(これをステップと呼びます)をひたすら繰り返します。上のウクレレビデオの例で言うとC Majorというノートをひたすら繰り返します。十分練習が完了した時点で「Next」(あるいはキーボードの→)ボタンを押すと次のステップに移動します。

それだけだと単純なのですがこのアプリの肝はステップアップ。先ほど練習した2つのノートのコンビネーションを練習したいときは「Up」(あるいはキーボードの↑)ボタンを押せば先ほどの2つのステップ分の区切りをまとめて再生してくれます。Upボタンをもう一度おすと今度は4ステップを繰り返し、最終的には8ステップ=全てのステップを一度に演奏できるようにするのがゴールとなります。

ハッカソンの時はLeapMotionというMicrosoftのKinnectに似たセンサーを持ってきていた人がいました。そこでそのLeapMotionにも対応することで、ギターを弾いている時にわざわざパソコンのキーボードを触らずとも左右に手を揺らすだけで操作できるようにしました。プレゼンの15分前にセンサー対応した時の感動はひとしおでした。

このStep Upは作りが単純な分応用範囲が広く、武道の型や語学、または幼児向けなど「反復」が上達のかなめになるものには全て使えると思っています。もし「そういうのってすでにあるよ」という場合は教えていただけるとうれしいです。「反復」を題材とした練習教材はたぶんいくらでもあると思うのですが、やり方はいくらでもあると思うので、役に立ち、なおかつ面白いものがつくることができれば良いなと思っています。あと「すぐに使ってみたい」と言う人も(inouemak at googlemail dot com)まで教えて下さい。一応自分の好きなビデオを設定できるサイトはすでに作ったのでテストユーザーとしてご招待します。

ちなみにこのアプリをBGVのプログラムの他の参加チームの人にみせたところ「こっちのほうがいいからBenkyo Playerから乗り換えたら」とのこと。ちょっと心揺れます。

ユーザーインタビュー

水曜日のオフィスアワーの時にユーザーテストの結果などを話し合ったのですが、その時に「まだ本当にユーザーのニーズとか分かってないだろうからサイト以前の問題で、ユーザーインタビューとかした方が良い」というアドバイスを受けました。
自分の中ではいろいろな勉強会に参加したことでユーザーテストをしたつもりだったのですが、そうではなくて、ちゃんと形式に乗っ取ったものをするようにとのことです。「そういうことをなんで今頃言うんだろう。もっと早い7月ぐらいにいってくれれば良いのに」と思いつつ、BGVのプログラムに参加している人の中からオンラインコースをとったことのある人2人に1時間ずつのインタビューを行ないました。

インタビューは最初の10〜20分ほどはインタビュアーの経歴などの雑談から始まり、徐々にオンラインコースや学習に対するに対する態度を掘り下げて聞いていきます。興味深かったコメントを箇条書きにしてみると

  • 初級者向けの講義は対面よりオンラインの方が絶対よい。何百人もの講義室で活発な議論なんてまず起きないし、それよりもビデオで分からないところを巻き戻しながら視聴できる方がよい
  • わからないところはコースに付属したオンラインフォーラムなどで解答を探すけれど、質問することはまれ

と言ったところでしょうか。正直いって聞いた話のほとんどは同意することが多く、あまり目新しい気付きとかはなかったような気がします。それよりも「この人たちがBenkyo Playerの機能を使ってもらう気があまりしない」という焦る気持ちの方が増した気がします。 Benkyo Playerが現在のオンラインコース受講者の問題を解決する方法でないとわかった時どうするか?それに対しては「問題を解決するようにプロダクトを変える」か「問題を解決できるマーケットにシフトする」のどちらかなのですがこのユーザーテストだけではどちらが正しいか正直見えてきませんでした。

せっかくあたらしいサイトを作ったのに作ってもらえるか心配になってきましたが、そういう場合は自分で使ってみるのが一番です。
先週も述べたように「CS169.2x Software as a Service」というコースは実はRuby On Railsのコースなので自分も受講してみることにしました。
ただ受講といってもRuby On Rails はすでに詳しい分野なのでコースの隅から隅まで勉強するのは非常にめんどくさい。それよりも自分があまり知らないところや不得意なところのみをつまみ食い学習とか出来たら良いなと思って最初のビデオを2〜3とって見ました。

するとなかなかBenkyo Playerも使いどころがあるように思えてきました。
まずテストの際にいちいちビデオを全部見なくても検索してすぐに特定の箇所までジャンプできるのは非常に良いです。そして講義中の先生のセリフに対してつっこみを入れたくなった際、それは「フォーラムに質問する」よりも「ツイッターでつぶやく」ほうが適当だと思います。そういう時にBenkyo Playerを使うとビデオのなかから「何分何秒目」といったピンポイントでブックマークできる上、その時にしゃべっている内容を自動的に字幕から抜き取ってくれたりします。
こうなるとTEDとかSXSWとかの大きなカンファレンスの開催中に流れてくるハッシュタグツイッターで拾い読みしているような体験に似てくるのではないでしょうか。最終的には「1人寂しくビデオ学習」という体験から「時と場所を超えて一緒に勉強」している体験に切り替えることができれるようにしたいです。

CS169.2コース専用のチャットルームでBenkyo Playerのこの機能を紹介したところ、「ソーシャルネットワークとの統合機能はないからいいね」とコースのTA(Teaching Assistant, 助手)の方々にいってもらいました。 やはりほめられるとやる気が出てくるものです。