Benkyo Diary (8週目)


  • 売り込みが先か、開発が先か
  • 最初の成果は?
  • また振り出し?

売り込みが先か、開発が先か

月曜日には毎週起業家を招いてのトークなのですが、今週は昨年BGVのプログラムを卒業した人がきて話してくれました。
その人の会社は極めて優等生で設立1年もたたずすでに結構な収入があるそうです。

どうやってそれが実現できたのかを聞いたところ、BGVのプログラムが始まった瞬間からひたすら営業トークをするために人に会いまくっていたとのこと。
売るものがない段階でどうやって営業トークをしたのか気になったのですが、カスタムで構築したり、既存のオープンソースプロダクトを使って構築したりしていたそうです。「それってプロダクト会社っていうよりもコンサル会社なのでは」という疑問はありますが、会社創立してから、外部からの出資にたよらず自立する手段としてはすばらしい方法だと思います。

ここにきてBenkyo Playerはどんどんクールなプロダクトになっていっているのですが、本当に開発はこれぐらいにして、お金を払ってくれるクライアント開拓に励まないといけないと思いつつコーディングにいそしんでいる自分がいます。自分の頭の中では「このプロダクトを自社の教育コンテンツ用に使いたい会社」、あるいは「このツールを企業研修のツールとして使ってくれる会社」が潜在顧客としてあがります。しかしながら、彼らにアプローチする前に「Benkyo Playerは生徒の間でこんなに使われています」というのをアピールしなければいけないので、まずサイトの使い勝手をあげないといけないというジレンマに陥ってしまっている気がします。

ということでまず「学生の間で使ってもらえるように心がけよう」と思って現在はバークレイ大学の講義をBenkyo Playerに取り込み、字幕検索サービスをコースの掲示板上でアピールしている最中です。

最初の成果は?

で一週間ほど実際にコースを受講しながらピーアルしてみました。Google Analyticsなどを見ていると一日の訪問者数は前週と比べて20人ぐらいは増えているようです。まあそんなに爆発的に利用者が増えるもんではないようですね。一点うれしかったのが、先週に紹介したTA(Teaching Assistant, 助手)の人が自らBenkyo Playerのリンク先を生徒さんに教えているフォーラムのポストがあったことです。

あと先週行なったユーザーインタビューを今週も引き続き行なっていました。前の週の2人に比べてより使ってもらえるっぽい感触がしました。
なんでもその方は一つのビデオを2倍速で2度あるいは3度に渡って聞いているそうです。そういう人にとっては1度目に分からなかった箇所をブックマークしておいて、2度目は分からないところのみを拾い読みするような使い方がBenkyo Playerでも可能だと思います。 あとその方ははバグの報告もしてくれました。これまでは利用者がほぼ自分しかいなかったのでバグの発見はすぐ自分がしていましたが他の方から指摘されるのは感謝感激です。

また振り出し?

いろいろと不安と自信の浮き沈みが激しい一週間だったのですが極めつけは金曜日に行なわれたオフィスアワー。前の日の夜から体調を崩してちょっとふらふらだったのですが、ミーティング中にメンターから「方向転換したら?」といきなりの一言。 まったく一から違うものを作れというのではないですが、今のサービスは難しすぎるし、Benkyo Playerが字幕を取り込んだコースじゃないと受講できないから不便。それよりも「ビデオの一部分だけをブックマーク化」機能だけで勝負したらとのこと。 まあそれは私がこれまで1年ほど試行錯誤したインタラクティブビデオの根幹なので確かにそこに集中するのは面白いかもしれません。しかしながら私がBenkyo Playerの際に常に突きつけられている問題を全く解決していません(というかよりひどいようにみえる)

  • それって既存のキュレーションサービス(Naverまとめなど)の一機能で十分では?
  • どうやって誰からお金をとるか

そもそもビデオの「一部分だけをブックマーク化」だけだとあまり教育とも関係なくなってきている気がします。これを気に最近作ったStepUpも見せてみたのですが、これも「複雑すぎ」の一言でばっさり。そこでとりあえず彼の指示にしたがってあたらしいコンセプトを1時間ぐらいでスライドにしたため、他のチームの人たちの前でプレゼンしたところ「シンプルで良い」「ようやくコンセプトが理解できた」と以外に好評な結果が帰ってきました。

う〜んどうしよう。 週末の3連休を利用していろいろ考えようと思ったのですが大風邪を引いてずっとベッドでうなされていました(もうおおかた直りましたが)。

Benkyo Diary(第7週)

http://img.youtube.com/vi/HEBG9-kpEsI/0.jpg

  • Step Up
  • ユーザーインタビュー
  • オンラインビデオのツイッター

今週は色々悩みが多い一週間だったと思います。

Step Up

まずは先週軽く触れましたが、週末のハッカソンでつくったStepUpのご紹介。

これはBenkyo Playerの「Video Learning made easy」の意志を受け継ぎつつ、Benkyo Playerの目玉である検索機能をばっさりきりすて、「反復練習」に重点をおいたものです。

機能はきわめて簡単で「Play」ボタンでビデオを再生するのですが、何もしないとあらかじめ区切られていた一区切り(これをステップと呼びます)をひたすら繰り返します。上のウクレレビデオの例で言うとC Majorというノートをひたすら繰り返します。十分練習が完了した時点で「Next」(あるいはキーボードの→)ボタンを押すと次のステップに移動します。

それだけだと単純なのですがこのアプリの肝はステップアップ。先ほど練習した2つのノートのコンビネーションを練習したいときは「Up」(あるいはキーボードの↑)ボタンを押せば先ほどの2つのステップ分の区切りをまとめて再生してくれます。Upボタンをもう一度おすと今度は4ステップを繰り返し、最終的には8ステップ=全てのステップを一度に演奏できるようにするのがゴールとなります。

ハッカソンの時はLeapMotionというMicrosoftのKinnectに似たセンサーを持ってきていた人がいました。そこでそのLeapMotionにも対応することで、ギターを弾いている時にわざわざパソコンのキーボードを触らずとも左右に手を揺らすだけで操作できるようにしました。プレゼンの15分前にセンサー対応した時の感動はひとしおでした。

このStep Upは作りが単純な分応用範囲が広く、武道の型や語学、または幼児向けなど「反復」が上達のかなめになるものには全て使えると思っています。もし「そういうのってすでにあるよ」という場合は教えていただけるとうれしいです。「反復」を題材とした練習教材はたぶんいくらでもあると思うのですが、やり方はいくらでもあると思うので、役に立ち、なおかつ面白いものがつくることができれば良いなと思っています。あと「すぐに使ってみたい」と言う人も(inouemak at googlemail dot com)まで教えて下さい。一応自分の好きなビデオを設定できるサイトはすでに作ったのでテストユーザーとしてご招待します。

ちなみにこのアプリをBGVのプログラムの他の参加チームの人にみせたところ「こっちのほうがいいからBenkyo Playerから乗り換えたら」とのこと。ちょっと心揺れます。

ユーザーインタビュー

水曜日のオフィスアワーの時にユーザーテストの結果などを話し合ったのですが、その時に「まだ本当にユーザーのニーズとか分かってないだろうからサイト以前の問題で、ユーザーインタビューとかした方が良い」というアドバイスを受けました。
自分の中ではいろいろな勉強会に参加したことでユーザーテストをしたつもりだったのですが、そうではなくて、ちゃんと形式に乗っ取ったものをするようにとのことです。「そういうことをなんで今頃言うんだろう。もっと早い7月ぐらいにいってくれれば良いのに」と思いつつ、BGVのプログラムに参加している人の中からオンラインコースをとったことのある人2人に1時間ずつのインタビューを行ないました。

インタビューは最初の10〜20分ほどはインタビュアーの経歴などの雑談から始まり、徐々にオンラインコースや学習に対するに対する態度を掘り下げて聞いていきます。興味深かったコメントを箇条書きにしてみると

  • 初級者向けの講義は対面よりオンラインの方が絶対よい。何百人もの講義室で活発な議論なんてまず起きないし、それよりもビデオで分からないところを巻き戻しながら視聴できる方がよい
  • わからないところはコースに付属したオンラインフォーラムなどで解答を探すけれど、質問することはまれ

と言ったところでしょうか。正直いって聞いた話のほとんどは同意することが多く、あまり目新しい気付きとかはなかったような気がします。それよりも「この人たちがBenkyo Playerの機能を使ってもらう気があまりしない」という焦る気持ちの方が増した気がします。 Benkyo Playerが現在のオンラインコース受講者の問題を解決する方法でないとわかった時どうするか?それに対しては「問題を解決するようにプロダクトを変える」か「問題を解決できるマーケットにシフトする」のどちらかなのですがこのユーザーテストだけではどちらが正しいか正直見えてきませんでした。

せっかくあたらしいサイトを作ったのに作ってもらえるか心配になってきましたが、そういう場合は自分で使ってみるのが一番です。
先週も述べたように「CS169.2x Software as a Service」というコースは実はRuby On Railsのコースなので自分も受講してみることにしました。
ただ受講といってもRuby On Rails はすでに詳しい分野なのでコースの隅から隅まで勉強するのは非常にめんどくさい。それよりも自分があまり知らないところや不得意なところのみをつまみ食い学習とか出来たら良いなと思って最初のビデオを2〜3とって見ました。

するとなかなかBenkyo Playerも使いどころがあるように思えてきました。
まずテストの際にいちいちビデオを全部見なくても検索してすぐに特定の箇所までジャンプできるのは非常に良いです。そして講義中の先生のセリフに対してつっこみを入れたくなった際、それは「フォーラムに質問する」よりも「ツイッターでつぶやく」ほうが適当だと思います。そういう時にBenkyo Playerを使うとビデオのなかから「何分何秒目」といったピンポイントでブックマークできる上、その時にしゃべっている内容を自動的に字幕から抜き取ってくれたりします。
こうなるとTEDとかSXSWとかの大きなカンファレンスの開催中に流れてくるハッシュタグツイッターで拾い読みしているような体験に似てくるのではないでしょうか。最終的には「1人寂しくビデオ学習」という体験から「時と場所を超えて一緒に勉強」している体験に切り替えることができれるようにしたいです。

CS169.2コース専用のチャットルームでBenkyo Playerのこの機能を紹介したところ、「ソーシャルネットワークとの統合機能はないからいいね」とコースのTA(Teaching Assistant, 助手)の方々にいってもらいました。 やはりほめられるとやる気が出てくるものです。

Benkyo Diary(6週目)


  • アンケートが難しすぎる?
  • ユーザーテスト
  • プログラムの半分が終わって
  • 息抜きハッカソン

アンケートが難しすぎる?

先週末にようやくリリースしたBenkyo Player。みなさんに使い勝手のフィードバックを得ようとアンケートの募集をしたのですがあまり反応がよくありません。ツイッターFacebookで告知するとリツイートやライクボタンはおしてくれるのですが、実際に使ってくれた形跡があまりないようでした。そこで戦略を変えて個人的にメールを20人ぐらいに出したところ半分ぐらいの人から返事がありました。

反応ですが、やはり字幕検索機能は評価が高いのですが、字幕をハイライトしたりコメントしたりする機能はサインインしないとつかえない機能なので評価が低い(というよりもあったことにも気づいていない)ようでした。

あとログとかを解析してみるとホームページからほとんどの人は検索機能を使っているようですが、そこからビデオを見るところまで到達した人が2〜3割程度しかいないような痕跡が見られます。

そこで水曜日のオフィスアワーの時間にBGVのディレクターに相談したところ「あのアンケート難しすぎるよ。ページ開いてすぐとじちゃった」とのこと。そういうことはすぐに言ってほしかった… 現在はBenkyo Playerを使わなくても答えることが可能な「オンライン学習に関するアンケート」を新たに作成したのでご協力いただけるとうれしいです。

今度のはBenkyo Playerの経験もオンラインコースの経験もいらない簡単なものです。

ユーザーテスト

オフィスアワーの時にさらに話し合ったところ、今自分が知りたいのはサイトの使い勝手なのでアンケートよりもユーザーテストじゃないかということになりました。

そこでまず「Rocket Surgery Made Easy by Steve Krug: Usability Demo」という30分ぐらいのビデオで効果的なユーザーテストを勉強した後に3人の人を対象にテストを行なってみました。

その結果以下のようなことを発見しました。

  • クリックするリンクが多いために一番肝心のビデオページにいく前までにサイト内で迷子になる場合がある。
  • 「How To」の画像を実際の画面と間違えてクリックしつづける人がいる
  • ホームページから「What do you want to learn?」という検索ボックスにキーワードを打ち込んで何も該当しないと、そこでサイトを離脱する可能性が高い

結果の多くはビデオ字幕検索に行き着く前の問題が多かったので、そこを修正すればもっと使い勝手があがりそうです。ただひとつ面白い発見があったのは「字幕検索」を全面に押し出したサイトなので検索だけして実際にビデオを見ない人がいたということです。あとさらにいうとビデオページで字幕を検索するのではなく、Transcriptページ(字幕全文が掲載されているページ)にひたすら滞在しているユーザーもいました。

このユーザーテストの前に友人から「検索するのがBenkyo Playerの強みで実際のビデオ視聴は各オンラインコースサイトにいってもらえばよいわけだからいっそビデオとりのぞいたら」というアドバイスをもらいました。 こういった実験の結果を見てみるといろいろ考えさせられます。

プログラムの半分が終わって

この前始まったばかりだと思っていたプログラムももうすでに半分終わってしまいました。
リリースができたのはうれしい反面、「本当に使ってもらえるだろうか」という疑問が常につきまとってきます。

私のアプリは基本的にはだれでも使ってもらえるサイトなのですが、逆に本人の勉強したいコースがない場合はあまり使い勝手の善し悪しがわからない可能性があります。 




翌週からはEdXで「CS169.2x Software as a Service」というコースが始まります。これは実はRuby On Railsのコースなので私の得意分野です。そして面白いことにこのコースはひと月前に行なわれた「CS169.1x Software as a Service」の続編なため、復習の道具としてBenkyo Playernの検索機能が役に立つはずです。さらにコースのインストラクターの一人は私の知人で「Benkyo Playerのこと生徒に告知してあげるよ」と言われています。 なのでこのコースを自分でもとりつつ、コース内の人たちに宣伝していこうと思っています。このコースで使ったもらえるかどうかがBenkyo Playerを試す上での試金石になると思っています。

週末は息抜きとしてhttp://popathon.org/というハッカソンに参加しました。Popcorn.jsというオンラインビデオを操るためのライブラリーがあるのですが、それを使って何かを作るというイベントだったのですが、正直すごいものを作ってしまいました。 妻曰く「Benkyo Playerよりよい」とのこと。これはデモビデオを見てもらわないとイマイチすごさがわからないのでデモビデオがあがってきたらまた別途お知らせします。

Benkyo Playerユーザビリティテストのお願い


これまでの道のり

こんにちは。私は現在イギリスでBenkyo Playerというサービスを開発中です。
Benkyo Playerは現在爆発的に人気がでてきているMOOC(Massively Open Online Course)に注目し、既存のオンラインコース(Coursera, Udacity, edX等)ビデオの字幕検索、ソーシャルノートツールなどを提供しています。
これまでの道のりに興味のある方は以下をご参照下さい。

ユーザビリティ(使いやすさ)テスト

もともとプロトタイプ的なサイトはあったのですがこのたびサイトをリニューアルしました。
しかしながらまだまだ荒削りな部分も多く、徐々に皆様の意見を取り入れて改善していこうと思っています。
そこでユーサビリティテストのお願いです。

Benkyo Player のサイトを15分ほどいろいろつついてみて、結果を以下に記入していただけないでしょうか?

自由記入のコメント欄は日本語で記入していただいて結構です。フォームの英語については後ほど和訳も掲載いたします。

「特に勉強したいコースがBenkyo Player上にない」という場合はSteve Blankの"How to build a startup "というコースをお勧めします。

そして以下の質問に解答している字幕の部分を探し当ててみて下さい。

  • How do you turn hypothesis into facts?
  • There are 6 different customer types. User, Influencer, Recommender, Decision Maker, Economic Buyer. What's the remaining user type?
  • What do you call when competitors get together in programs to do something jointly for their industry?


調査フォーム

調査フォームhttp://www.surveymonkey.com/s/S63MXGKの「英語がわかりずらい」ということもあるかもしれませんので和訳を掲載しておきます。

1. Please rank usefulness of the features of the site (1 is the best)

サイト内の機能を役に立つ順に並べ替えて下さい。


2. Please rank what kind of new features you would like to see next? (1 is the most)

次回の新規リリースに含めたら良い新機能候補順に並べ替えて下さい

  • Topic Extraction = so that you know what search keywords you should use without knowing much about the course ビデオ内で頻出の単語を抽出する機能
  • Image Extraction = so that you can see the thumbnail image of the search result (as you can see at http://bit.ly/benkyo_player) ビデオ内で字幕ごとにサムネイル画像を抽出する機能
  • Browser Plugin = so that you can search and highlight subtitles while watching videos on the MOOC(Massively Open Online Course) site, rather than at the Benkyo Player.既存のオンラインコースにいながら検索機能などを使うプラグイン機能
  • Study report & journal = so that you can track how much you have been studying and write your sturdy journal. 勉強日誌機能
  • Recommendation = so that you are shown other relevant courses from different MOOC providers while searching for a topic レコメンデーション

3. What other online courses would you be interested studying? If you don't have any specific courses in mind, please search via http://coursetalk.org

現在勉強したいオンラインコースは特にありますか?特に該当するコースが思い浮かばない場合、http://coursetalk.orgなどで調べてみて下さい。


4. We are actively looking for potential partners and customers. If there are any organisations/people you think will be good fit, please write down
We are actively looking for potential partners and customers. If there are any organisations/people you think will be good fit, please write down

現在パートナーなど募集中です。もし「Benkyo Playerをこんなことやこんなサービスと一緒に使ったら良いのでは」などアイデアがあればお知らせください。

5. Any comment about the site?
Any comment about the site?

サイトに関する全般的な感想をお知らせ下さい。

Thank you very much for participating the survey.

6. Please write down your name and email address if you are interested in receiving any notification for future updates.
Please write down your name and email address if you are interested in receiving any notification for future updates. Name

調査にご協力下さり大変ありがとうございます。差し支えなければコンタクト情報をお知らせ下さい。


Email Address
Where did you hear about the site?

以上です。リツイートやライクをしてくれる人はいるのですがあまり調査フォームまで記入して下さる方がいないのでお手数ですが協力していただけるとうれしいです。

Benkyo Diary(5週目)


  • 事務処理
  • リリースに向けて
  • 愛の鞭

事務処理

今まで色々人とあったりコードを書いたりしている間おろそかになっていた事務処理をこなすのに火曜日を一日つぶしてしまいました。税務署に1時間近くかけて押し問答したあげく全然進歩がなかったりしてイライラしましたが、ようやくBenkyo Player Limitedの銀行口座をあけることができたのが一番の収穫です。 これでようやく今回のプログラムに参加するさいに受ける投資金を振り込んでもらえる。

火曜日のお昼は税理士の人が来て色々相談に載ってもらいました。私が現在気になっているのは以下の項目です。

  • 毎月の帳簿付けはどうするか
  • 給料の支払いはどうすべきか
  • 経費の処理とかはどうするか

毎月の帳簿付けは現在はスプレッドシートにアイテム名、日付、品目のカテゴリーなどをつけている程度ですがそれでとくに問題ないようです。もちろんレシートとかはちゃんと管理して税務局が来た時に提出しておけるようにしなければいけませんが。FreeAgentというアプリを使うとこういうのの管理が楽な上、レシートをスキャンしてアプリにアップロードできるサービスもあるらしいです。もし出費がいろいろと複雑になって来たら使おうと思います。

その他の給料や経費の個人口座への支払いは現時点では普通に銀行間送金をすれば良いだけで特に形式ばったものは必要ないそうです。基本的にはいかに税金の額を押さえるかが鍵になるのですがdirectors loanとかdividents voucherとかをつかう色々な方法を教えててもらいました。ただ現時点ではちょっとチンプンカンプン。


リリースに向けて

ようやく今週末に新しいバージョンをリリースしました(それについてはまた別エントリーで書きます)。それに先立ってのオフィスアワーで「ようやく自分の考えていたプロダクトができあがるのはうれしいけれどだれも使ってくれなかったらどうしよう」とメンターの人に相談すると「成功するか失敗するかっていうとまず失敗するから」といきなり厳しい一言。でもそれにつづいて以下のようなアドバイスをもらいました。

最初のリリースはたいがい失敗するものだけれど、そこからどういった知見を得ることができるかがもっと重要なので、データ解析のツールなりなんなりいろいろ準備しておくこと。あと「このリリースからどういったことを学びたいのか」についてしっかり考えておくこと。

今までは外部に自分のサイトを告知するときなどは「サイトを使ってみて色々フィードバックを下さい」といっても「うん、とってもクール」ぐらいしか返事が返ってきませんでした。しかもデータ解析ツールのデータを使ってユーザーの動きを分析してみるとほとんど使った形跡がみられません。

そこで今回はあらかじめこちらの方でユーザーにしてもらいたいタスクを定義し、それをしてもらった上で「どの機能が役にたったか」「今後どんな機能が欲しいか」をランク付けしてもらうようにしました。

また、最初にサイトを訪れた人たちが何をすれば良いかわかるようなチュートリアルページもつくることにしました。最初の写真はどこにどんな注釈をつければよいかをモニター画面にポストイットを使って検討しているところです。


愛の鞭

リリースに向けていろんな人からアドバイスをもらうのは良いのですが、アドバイスの数が多くなると結構正反対な意見をもらうことも多く困ってしまいます。なんでも他のチームの人たちも「混乱してきた」という声が上がってきています。

そこで読むように紹介されたのが以下の記事

whiplashは通常「鞭」を意味するのですが、良心からのことなので「愛の鞭」と訳してみました。

詳しくは本文を読んでもらえば良いのですが、肝心なことは「アドバイスであって指示ではないのですぐに反応しないように。そして一番のアドバイスはあなたのマーケット、顧客からのものを一番重視すること」のようです。

それはさておきここ最近いろいろあったメンターのアドバイスで一番良かったのはGovernment Digital Service (英国政府 gov.ukを作成している政府機関)でプロダクトマネジャーをつとめるリチャードさんからのもの。イギリスに来て思ったのは政府や公共機関、BBCなどのウェッブサイトのできが非常に良いこと。あまり派手さはないのですがサイトの訪問者に分かりやすいようなシンプルなデザインを常に心がけているように思います。その彼からのアドバイスは「ちゃんと各セクションのタイトルをつけること」「ユーザーに協調したいことがらを一番大きく」ときわめて当たり前なものが多かったのですが、Javascriptなどを使用した派手なサイトの動きばかりに気を取られていた私としては非常に参考になりました。

Benkyo Diary(4週目)

(今週はあまり関係する写真がなかったので今週話題になったプリンスGeorgeの写真でも載せておきます)

  • いよいよプログラミング
  • Exit Plan
  • Pitch Friday

いよいよプログラミング

これまでの3週間は毎日のようにミーティングだったのですが、今週から腰を据えてサイトのリデザインに取り組むことにしました。

ようやくプログラミングができて楽しい反面「本当にデザインを変更したら他の人が使うようになるんだろうか?」という疑問は常に頭をよぎります。

あと二人の人たちから「コースのコンテンツを検索する機能と、オンラインコースを集団学習するための機能を提供しようとしているようだけれどそれって別々の問題じゃないの?」と指摘を受けました。 自分の中では

「分からない箇所を検索」=>
「検索結果をハイライト、コメント」=>
「保存したハイライトやコメントを他の生徒達とシェアする」

という流れを期待しているのですが、必ずしもそううまくいくかどうかまだ実証されていません。

そこで少しでも早く実際の生徒さんに使ってもらうべく、はやくリリースできるようにしたいと思います。

Exit Plan

木曜日にまたメンターとのミーティングがあったのでいってきました。今回はストラテジーやパートナーシップを専門としている方で、Benkyo Playerの説明をすると「こういった人や会社を紹介できるけれど」とぽんぽん提案してくれて助かりました。あと印象に残った点として以下のようなことをおっしゃっていました。

Exit Planとか考えていますか?もし最終的にどういう会社にだったら買収されてもいいか考えておくと、どういった会社にフォーカスしたサービスを作るかのヒントになるかもしれません。HPとかMicrosoftとかのテクノロジー系の会社は教育分野にもいろいろフォーカスしているから、そういった会社に話を通してみてもよいかも。


この話を聞いて思ったのが以下の記事です。


これはMOOCコースプロバイダーであるUdacityがGeorgia Tech大学と組んでたったの7000ドルでコンピューターサイエンスの修士を提供するというものです。

値段が破格なのもニュースなのですが、それよりも注目に値するのがAT&Tとのパートナーシップ。

なんでもAT&Tはこのプログラムに対してすでに2百万ドルを寄贈しているそうです。なんでも自社の社員の研修目的に使いたいようです。

このことは第2週に述べた「会社の研修教育費で購入」という仮説を後押しするニュースだと思いました。

とくにUdacityはコンピュータ系の授業が充実しているので大手の金融機関のプログラマーや大手IT系企業の研修パッケージの一部としてBenkyo Playerを売り込めれば良いのですが。


Pitch Friday

金曜日の午後は5つのチームが各自のプロジェクのプレゼンテーションをしました。「順番はランダムに選ぶから」といいつつトップバッターはBenkyo Player。あきらかにアルファベット順に選んだようにしか見えなかったのですが、5分間プレゼンをしました。

まず最初に「Benkyo Playerは既存のオンラインコースのビデオ学習をより効率化するためのツールを提供します」といった後、既存オンラインコースのマーケットサイズ、既存のコースの課題を説明した後、以下にBenkyo Playerが「学習者とコース提供者をつなげるための橋渡し役になることをゴールとしている」を説明しました。そして現在作りかけの新しいサイトのライブデモもしました。制限時間は5分間だったのですがデモも含めてちょうど5分で出来たのはよかったと思います(結局デモまでしたのは私のチームだけでしたが)。

反応を箇条書きにすると

  • 最初の問題提起や「橋渡し役になりたい」という部分は非常に良かった
  • 既存のオンラインコースの問題はドロップアウト率が高いところにあるので、そこをもっと具体的な数値を出して言った方が良い
  • デモはもっと簡潔にして、具体的なユースケースと結びつけることが出来た方が良い

といった感じです。自分で事前に用意していた時には「以下にデモをうまく見せるか」を考えていたのですが、よく考えたら自分が作っているものはそこまで見た目が派手なものではないので、それよりも「どんなに社会的に異議のある問題に取り組んでいるか」、そしてどれぐらいの実績があるかにフォーカスした方が良いのかなと思いました。

Benkyo Diary(3週目)

  • 助成金の申請
  • Doncaster & Somerset House
  • 新しいデザイン

助成金の申請

「今週こそは新しいデザインを固めよう」と意気込んでいたのですが、月曜日の各チームごとの進捗状況発表会でみな「ほとんど助成金の申請書書いてました」と口を揃えていっていたので私も慌てて申請フォームの作成に追われることとなりました。

私は今まで資金集めとかに無頓着だったのですが、話を聞いてみると最初の投資を受けるのが一番難しいけれど、「すでに他の人が投資している」という実績があると、それが呼び水になった他の投資家を引きつけやすいそうです。助成金のプログラムによっては「必要額の半分を他から集めることができれば、残りの半分を出します」というマッチングプログラムもあるそうです。

投資の場合は自分の株式と交換に資金を投資してもらうのですが、助成金の場合は株式を手放す必要がないので非常に魅力的です。私の起業分野(ビデオと字幕をつかった検索とデータビジュアライゼーション)は結構応用の幅が広く、スポーツやエンターテイメントの分野も考えていたのですが、「教育」という社会により役立つ可能性の高い分野を企業が選ぶことでサポートの幅が広がるのは良いことだと思います。


Doncaster

今週も相変わらず「人に会う」ということに時間を費やしていました。今まではロンドン内でしたが、今回はちょっと遠出してイギリス中部にあるDoncasterという町で開催されたlearnpod という「アンカンファレンス」に行っていきました。「アンカンファレンス」というのは普通のカンファレンスとは違い特定の講演者があらかじめ決まっているのではなく、その日に話したいことのある人たちが話したいトピックを提案し、人気の度合いによってそれぞれ部屋が割り当てられます。私はMOOC(Massively Open Online Course)というテーマでセッションを持ったらけっこう好評で2回することになりました。 参加者はほとんど大学関係の人たちで、MOOCというのは聞いたことがあって興味はあるけれど実際に試したことはない人たちが多く、「10個以上のコースを受講した(でも最後までとったのは4つだけど)」というとみんな興味深く聞いてくれていたようです。


新しいデザイン

先週に紙に殴り書きしたデザインをまたまた@sayutampoさんにきれいなモックアップにしてもらいました。

で、これをいろんなメンターの人やNew Bambooの元同僚の人たちにも見てもらっていろいろ批評してもらいました。

人によって結構正反対な意見がでてくるのでどの意見を取り入れればよいのか迷ってしまいます。しかしながら左側に字幕検索を、右側にも字幕全部を見せるのは「結構混乱する」という意見があったので、思い切って右側は削除してもっとシンプルにしてみることにしました。

来週からはいよいよこれを実装していこうと思います。